仏教から導く幸福法

【イライラが止まらないあなたへ】物価高・不安・悪いニュースに負けない心の整え方

コトノリョウジン

今を平穏に生きるための学びを織り交ぜ、今を幸せに生きるための智慧を分かち合う場所にしていければと思っております。

「また値上げか…」
「なんだか嫌なニュースばかりだな…」

毎日の生活の中で、そんな風に感じて、ため息が出たり、ついイライラしてしまったりすることはありませんか?
先行きが見えない不安や、自分の力ではどうにもならない社会の動きに対して、心がザワザワしたり、カチンときたり…
本当によく分かります。
多くの方が、今、同じようなストレスを感じていらっしゃるかもしれませんね。
そのイライラ、抱え込んでいると、ますます心が疲れてしまいます。

今日は、そんな避けがたい外部からのストレスによる「イライラ」と上手に付き合うための、仏教の智慧に基づいた「心の処方箋」をいくつかご紹介したいと思います。
特別な修行は必要ありません。
日常の中で、ちょっと意識を変えるヒントです。

 

イライラは心のSOS?:その理由を仏教の視点でひも解く

そもそも、なぜ私たちは物価高や悪いニュースにイライラしてしまうのでしょうか?

仏教的に見ると、それは「思い通りになってほしい」という私たちの願いと、「思い通りにならない現実」とのギャップに対する、心の自然な反応(警報)と言えます。
「もっと生活が楽であってほしい」
「もっと安心できる世の中であってほしい」
という切実な願いがあるからこそ、それが脅かされると感じると、心は「危険信号」としてイライラを発するのです。

大切なのは、
「イライラしている自分はダメだ」と責めるのではなく、
「ああ、今、自分は『思い通りにならない現実』に対して、心が反応しているんだな」と、
まず客観的に気づくこと
です。
イライラは、あなたを苦しめる敵ではなく、むしろ「何かがあなたの心を乱していますよ」と教えてくれるサインです。

 

イライラした時のための処方箋

処方箋1:『イライラ実況中継』で心を俯瞰して整える

イラッとしたら、まず試していただきたいのが、その感情を客観的に観察することです。
まるでスポーツの実況中継のように、心の中で自分の状態を言葉にしてみます。

「おっと、今、ニュースを見て眉間にシワが寄ったぞ」
「スーパーの値札を見て、心臓が少しドキドキしているようだ」
「肩に力が入って、呼吸が浅くなっているな」

ポイントは、良い悪いの判断を加えず、ただ「事実」を観察すること。
お釈迦様も、自身の心の動きを客観的に観察すること(マインドフルネス)の重要性を説いています。
不思議なもので、このように一歩引いて自分の状態を眺めるだけで、感情の渦に飲み込まれにくくなり、少し冷静さを取り戻せる効果があります。

処方箋2:深呼吸で「今ここ」に戻る『仏教式クールダウン法』

イライラは、心だけでなく体にも影響を与え、呼吸を浅くし、筋肉を緊張させます。
そんな時、一番手軽で効果的なのが「深呼吸」です。

  1. ゆっくりと鼻から息を吸い込みます。
    お腹が少し膨らむのを感じながら。
  2. 吸った時間よりも少し長く、口からゆっくりと息を吐き出します。
    体の中のモヤモヤも一緒に出ていくようなイメージで。
  3. これを数回繰り返します。
  4. お釈迦様が説かれた教えの核心の一つに、「今、ここ」に意識を集中することがあります。

イライラしている時、私たちの心は「この先どうなるんだろう?」という未来への不安や、「どうしてこうなったんだ!」という過去や現状への不満でいっぱいです。
深呼吸は、そんな飛んでいってしまった意識を、強制的に「今、ここ」の自分の身体感覚に戻してくれる、強力なツールなのです。
数回の深呼吸でも、高ぶった神経を鎮め、クールダウンする助けになります。

処方箋3:『南無阿弥陀仏』など、心を守るお守り言葉の使い方

呼吸が少し落ち着いたら、イライラした思考がぐるぐると回り続けるのを断ち切るために、「お守りの言葉」を使ってみるのも良い方法です。
例えば、浄土宗で大切にしている「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」というお念仏も、その一つです。
これは、阿弥陀様という、どんな私たちをも大きな慈悲で見守ってくださる仏様への呼びかけであり、「お任せします」「ありがとうございます」という気持ちを表す言葉です。
イラッとした時に、心の中で(もちろん声に出してもOK)「南無阿弥陀仏…」と数回繰り返してみてください。

これは、イライラの原因を消し去る魔法ではありませんが、荒れた心に一時的な「避難所」を作り、心を波立たせる思考から少し距離を置くための「心のガード」のような役割を果たしてくれます。

阿弥陀様の限りない優しさに心を向けることで、自分の心の狭さやトゲトゲしさから、ふっと解放される瞬間があるかもしれません。
もちろん、他の短い祈りの言葉や、自分が落ち着く好きな言葉でも良いでしょう。

処方箋4:『これもまた過ぎ去る』無常の教えがくれる安心感

最後に心の片隅に置いておいてほしいのが、「諸行無常(しょぎょうむじょう)」という仏教の基本的な考え方です。
これは、「すべてのものは、常に移り変わっていく」という意味です。
今、私たちを悩ませている物価高も、社会の状況も、そして、私たち自身のイライラした感情でさえも、永遠に続くわけではありません。
必ず変化していきます。

「今はつらいけれど、この状況も、この感情も、いつか必ず変わっていくのだ」

と知ることは、私たちに困難な状況を乗り越えるための、静かな希望と忍耐力を与えてくれます。
イライラのピークにいる時、この言葉を思い出してみてください。
心の視野が広がるのを感じるはずです。

 

イライラに飲まれないための、小さな智慧をあなたに

物価高や社会不安など、自分の努力だけではどうにもならない問題に直面すると、私たちは無力感や怒りを感じやすくなります。
イライラしてしまうのは、あなたが弱いからでも、間違っているからでもありません。
大切なのは、そのイライラに気づき、それに振り回されず、少しでも心を穏やかに保つための「すべ(智慧)」を知っておくことです。
今回ご紹介した仏教のヒントが、皆さんの日常のストレスを少しでも和らげ、心穏やかな時間を取り戻すための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

あせらず、一つずつ、できることから試してみてくださいね。
皆さんの心が、少しでも軽くなりますように。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ー合掌ー

 

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